選挙コンサルタントという職業は、まだまだ世間一般への認知度は低いようです。
事実、どのようなお仕事をされているのですか? と初対面の方に尋ねられ、選挙コンサルタントですと言って、仕事の概略を説明すると、そういう仕事があるのですねと、答えられる方がいらっしゃいます。
確かに、選挙の裏側というのは、有権者の方々には解りにくく、見えにくいものなのでしょう。
そこで実際にどのようなスタイルで、選挙の仕事を請け負い実践しているかについてご説明します。
選挙コンサルティング(1)提供できる仕事の質と己のモチベーションは必ず比例する
選挙コンサルティング(2)立候補者のメンタル面のサポートも選挙コンサルタントの大きな役割
選挙コンサルティング(4)いかなる風が吹こうとも揺るがぬパーソナルブランディングの実践を
選挙コンサルティング(5)代替の効かない存在としての比較価値
選挙コンサルティング(6)市議を目指す新人候補者の心得と事前準備事項
選挙コンサルティング(8)選挙コンサルタントとして二人三脚で歩むもうひとりの候補者になるために
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選挙コンサルティング(1)提供できる仕事の質と己のモチベーションは必ず比例する

まず最初にすることは、立候補されるご本人との、比較的長い時間をかけての面談です。
ご自宅に伺うことも、ご家族とお会いすることも、結構な割合であります。
選挙は家族をも巻き込むものですから。この面談には二つの意味があり、向こうからすれば、こちらに任せて良いかの判断のためであり、こちらからすれば、お引き受けするかどうかの判断のためでもあります。
後者の意味について、誤解のないように付け加えますと、当選しそうな立候補者を選ぶために、面談するのではありません。
大切なことは、その立候補者の方を、好きになれるかどうかなのです。
なぜならば、選挙の仕事というのは、土日祝日はもちろん、夜中であろうが早朝であろうが、関係ありません。
非常に限られたスケジュールの中で、各種広報宣伝物を間に合わせなければいけませんので、特に期限に関するミステイクは絶対に許されないのです。
相手候補が出してきたチラシを受けて、大至急でその内容を踏まえての内容の見直しや詳細変更等、あたり前の世界です。
そのため、その立候補者の方に何としてでも当選して頂きたいというモチベーションを強く保ち続ける必要があるのです。
その気持ちをキープし続ける源は、青臭い言い方になってしまいますが、相手を好きになれるかどうかだと、常々考えています。
選挙コンサルティング(2)立候補者のメンタル面のサポートも選挙コンサルタントの大きな役割

選挙コンサルタントの最大の使命は、クライアントである立候補者の当選です。
これを経営戦略的に置き換えると、以下の様なフローになります。
■目標・ゴールの設定
・単に当選すれば良いのか、上位当選したいのか、具体的に何位で当選したいのか、何票獲得したいのか等
↓
■道筋・シナリオの設定
・それを実現するための具体的な戦略と戦術を構築する
↓
■内部環境と外部要因の分析と実践
・当選するために有利な要素とリスク要素のすべてを客観的に整理してその対策を定める
このプロセスを踏んでいく過程で、ほぼ例外なく多くの立候補者の心は揺れ動きます。
そもそも、それまで従事していた職を投げ打って、当選するかしないのかも解らない中で、議員になるという人生における選択が、間違っていないかという強烈な不安感。
それでも、家族の完璧な支えが約束されていれば、まだ心強いのですが誰もかれも皆そうであるという訳ではありません。
また、選挙本番が近づくにつれて、今の自分の活動そのものが正しいのか否か、本当にこんな動きで当選に必要な得票が、獲得できるのかという大きな疑問を抱えながら、毎日があまりにも早く過ぎていく現実との戦い。
選挙戦本番中はその不安感がピークに達し、ナーバスになって周りの支えてくれる人たちとぶつかるなどという事もよくあります。
そんな時にそばで見ていて、有権者に対する基本的なコミュニケーション戦略も、選挙活動そのものも、準備した広報宣伝物の質や確かさも、決して間違ってはいません、自信を持ってくださいと、背中を強く押すことが選挙コンサルタントの、大きな役割であると自覚しております。
選挙コンサルティング(3)現状の確認とリソースの棚卸し

立候補予定者の方と面談の上で合意し、選挙に向けての取り組みを開始することが決まった後に最初にすることは、現状の確認です。
この場合の現状の確認とは、
・地域での非政治的なものも含めた活動実績
→地域ボランティア、仕事、PTA活動、NPO、趣味やサークル活動等を本人はもちろん家族親族なども
・政治団体名義での活動実績
→無所属候補の場合は政治団体での活動以外は選挙に向けた事前活動は公職選挙法上難しい
・発行配布済みの名刺やチラシ関係の確認
→基本政策の確認と広報宣伝ツールとしての完成度を評価する
・人的リソースの棚卸し
→これまでの人生での過去の経歴
(生い立ち、出身地、居住歴、知人友人交流関係、家族構成、地元での交友関係は本人はもちろん家族のそれも、出身学校、学部、専門分野、趣味特技、職歴、賞罰、著作や寄稿歴、メディア登場歴、政治的な活動、協力してくれそうな人達等)
・政治家としての立ち位置
→政治信条や理念、主要政策に関する基本的な考え
(国家的及び地域的)、地域の現状に関する不満と代案、あなたにとって政治家とは? なぜこの地域から立候補するのか等
・政党所属候補の場合は
→党からのサポートの内容と範囲、党からの活動における制限拘束事項、党としての基本政策(国家的及び地域的)、党で用意される宣伝資材の確認等
以上を踏まえた上で、
・3C分析
・SWOT分析
・ポジショニングマップ
のフレームワーク分析を行い、来る選挙においてどう戦い勝利するかの基本的な戦略を構築します。
選挙コンサルティング(4)いかなる風が吹こうとも揺るがぬパーソナルブランディングの実践を

現状の分析とリソースの棚卸しの工程を経て、
・3C分析
・SWOT分析
・ポジショニングマップ
の戦略フレームワークを行い、来る選挙戦を見据えた戦略を構築するのですが、選挙戦略をつくりあげる上で、決して無視することのできない、
“その時の政治の世界に吹く風向き”
について述べておきます。
これは、現職議員を含めた政党所属の立候補者にとって、常に想定される極めて重大なリスク要素です。
今も日本中のどこかで、常に選挙は行われているわけですが、逆風吹き荒れる対象となる政党所属の立候補者は、本当に大変な想いをしながら日々選挙戦を戦っているはずです。
前回市議選で当選後、議会が終わるごとに議会報告のチラシを、毎月の少ない議員報酬からやりくりして印刷費用を捻出し、毎朝6時からその1週間は駅立ちしながらチラシを手配りしてきた、逆風政党所属の立候補者。
日常の議員活動も着実にこなし、議会ごとの一般質問では、誰よりも事前準備して地域の問題点を解決するために頑張ってきた、逆風政党所属の立候補者。
所属政党の国政での失政の影響により、物凄いハンデを背負いながら、地域での自分の選挙を戦わざるを得なくなった候補者を見てきました。
但しこれらは、政治家に永遠につきまとうリスクであるわけで、そのリスク要素を軽減する唯一の方法は、どんな風が吹こうが揺らぐことのない、個としての強い自身の存在感をつくりあげるしかないのです。
それこそが、パーソナルブランディングです。
ではブランドは、何でかたちづくられるのでしょうか?
ブランドとは、発信者側からの一方的な情報発信によりつくりあげられる事象ではなく、消費者が自らのマインドの中に醸成した、他の代替物では置き換えることのできない、 高い付加価値そのものです。
従って、私はこんなにも凄いんですよ!という直線的な情報発信だけでは、決して手にすることは不可能です。
ブランドは主に、第三者からの権威付けによって、より一層消費者のマインドの内側に、入り込んでいくのです。
選挙コンサルティング(5)代替の効かない存在としての比較価値

政治家のパーソナルブランディングについて、言及します。
ブランドとは、代替の効かない存在であり、解りやすい例を挙げるならば、バイクにおけるハーレーダビッドソンのような、競合する競争相手すら探すのが難しいと思わせるような、絶対的な比較価値を持つものです。
独特のフォルム、エンジン音と振動、乗り手のパーソナリティやライフスタイルを、意図せずとも饒舌に語り出すかの如く、圧倒的に記号化された存在としての工業製品としての完成度の高さ。
もちろん、いち政治家がハーレーダビッドソンと同様の高みに昇り詰めることは、限りなく不可能に近いですが、代替の効かない存在を目指すという意味では、ベンチマークすべき事例かと考えました。
時に20人を超える同じ選挙区の市会議員の中で、
「○○さんの代わりは居ない」
「●●さんだけは落選させるわけにはいかない」
と周りのコアな支持者以外に、どれだけファン層を拡げていけるか。
それを実現する重要なキーワードとして、
・政治家としての基本姿勢
・選挙時以外での日常活動
・継続的な相互情報受発信
の3つを挙げさせて頂きます。
自分というメディアと有権者という存在、この二つの間を繋ぐもの。
ここに、政治家のパーソナルブランディングの鍵が、隠れているのです。
選挙コンサルティング(6)市議を目指す新人候補者の心得と事前準備事項

市議になることを目標に定め、来るべき選挙に挑もうとする新人候補者の心得・事前準備事項として、以下の5つのことをアドバイスさせて頂きます。
●お金を貯める
選挙のためというよりは、当選後も含め政治家として人生を歩む上でのある意味でのタネ銭づくりとして。
●立候補選挙区のことを知り様々な課題を発見する
議会傍聴をはじめ、地域ないろいろな催しや会合、勉強会等への参加などは有益です。
そして地域住民との交流を図り多様な声を聞くことで、様々な課題が見えてきます。
人に会うことで人脈の拡がりはもちろんですが、人間関係構築能力も養えます。
●議員としてのリテラシー(読み、書き、聞き、話す力)向上
アウトプットとしての文章力と演説力は政治家の二大必須科目。
それに加えて若ければ外見力も無視はできません。
インプットの範囲は膨大ですので、全体をさらいつつも、何かひとつ得意分野をみつけて掘り下げることも重要。
●知性教養を身につけ議員(人)としての厚みを増す
地域のこと以外にも視野を拡げ、一般的な政治、経済、歴史などの基本的な知識獲得と自分の意見を持つこと。
文学、美術、芸術に触れる機会を可能な限り設けること。
●選挙本番対策
何人かの選挙を手伝って、選挙というのはこういうものだと肌で感じておく。
具体的なノウハウもその現場で少なからず学べます。
あまりこういう言い方は好きではありませんが、それで恩を売っておくと、自分の立候補の時に、手伝いに来てくれたり、応援演説をしてくれたりという可能性があります。
議員同士のこのような持ちつ持たれつの関係は、なってみるとわかりますがとても心強いです。
選挙コンサルティング(7)心技体で有権者と繋がる

政治家がパーソナルブランディングを実現するための重要なキーワードとして
・政治家としての基本姿勢
・継続的な相互情報受発信
・選挙時以外での日常活動
の3つがあります。
これについて、もう少し詳しく説明をします。
政治家と有権者が繋がるとは、ひとりの人間とひとりの人間が、相互理解と信頼の上に築かれた関係性を、簡単には崩れない状態まで昇華させることに他なりません。
一度そのような状態が築かれると、余程のことがない限り、両者の関係は保ち続けられます。ここで重要なポイントは、人が人を評価・判断する際に、対象となる人物のある一部分だけを見て、そうするわけではないということです。
通常は対象物、それが人、モノ、企業、お店等何であれ、それらの全体像を見てホリスティック(=包括的)な評価・判断をするはずです。
例をあげれば、○○さんは少々短気でわがままなところはあるけれど、他人のめんどう身の良さは人一倍で、困った時には誰よりも頼りになる存在のため、周囲からは常に一目おかれる存在である等。
人の全体像を心技体で表現するならば、先の3つのキーワードは、
心→政治家としての基本姿勢
政治に対する理念、政治家としての覚悟、
人格、人間性、人望
技→継続的な相互情報受発信
地域の課題を発見しそれを解決するのが、地方議員に求められる職務ですが、円滑な相互コミュニケーションを図り(対役所に対しても)、的確にそのプロセスと結果を、情報として地域住民に正確に発信し続ける。
体→選挙時以外での日常活動
有権者は選挙の時だけ姿を現す人が嫌いです。
選挙に当選することを最大の目標にしていると思うからです。
現職議員であれば、次回の選挙に出ようが出まいが、つまり選挙に関係なく、地域住民の声に常に耳を傾け、定期的に駅や街頭に立ち、市民の許へ自ら出かけて行き、信託を受けた地方議員として常に市長や役所のチェック機能を果たしながら、日々行動する姿を見せ続ける必要があります。
これが議員という職務を体現するということではないでしょうか。
この心技体を自分なりの方法で継続することが、地方議員としてパーソナルブランディングを築きあげる最良の道であると確信致します。
選挙コンサルティング(8)選挙コンサルタントとして二人三脚で歩むもうひとりの候補者になるために

田中角栄元首相が、ロッキード疑獄で批判の矢面に立たされている時でさえ、日本有数の豪雪地帯である地元新潟の支援者の同氏に対する感謝の気持ちが揺らぐことはなかったというのも、理解できる気がします。事の本質論はさておきですが。
メール等でお問い合わせを頂く際、選挙コンサルタントとして、具体的にどのようなサポートをして貰えるのかというご質問を頂きます。
以下の項目が、実際にクライアントに対して、弊社がご提供する主なメニューです。
◆選挙コンサルティングメニュー
1)立候補地の過去の選挙分析と競合分析
2)立候補者のリソースの棚卸し
3)比較優位に基づく当選するための選挙戦略の立案
4)それを受けての対有権者へのコミュニケーション戦略の立案
5)構築した戦略から導かれた力点を置くべき政策の絞り込み助言
6)選挙戦を見据えた包括的なスローガンの策定
7)立候補者が作成した選挙演説原稿の推敲、修正アドバイス
8)事前政治活動(後援会)での広報PRツールの企画制作
例:二つ折り名刺、A4チラシ、A3チラシ、B3チラシ、A4三つ折りリーフレット、ネット選挙対策用公式サイト、漫画を用いた各種コンテンツ、本人タスキ及びのぼり等
9)選挙本番で使用する各種選挙ツールの企画制作
例:選挙ポスター、公選はがき、選挙広報、公営ビラ、選挙カー看板、事務所用看板、タスキ・のぼり等
10)政治活動、選挙活動に関するメール、電話、対面での継続的なアドバイスや実地指導
選挙の怖いところは、ここまでやったから大丈夫という明確で客観的な指標がないことです。
これが大学受験であれば、2回連続で模試でA判定でも出れば、かなりの自信を持って試験本番を迎えることができるでしょう。
選挙にはそれはありません。
もちろん、事前にマスコミが国政選挙で行うような、リサーチをかければある程度の予想はできます。
しかし現実問題として、多数の当選者が生まれる市議選レベルで、多額のお金をかけてリサーチをして結果を予測するというのは、難しいと思います。
だから誰もが言いますが、一部の組織型選挙を除き、選挙は結果が出てみなければ票数など皆目見当がつかないというのが、本当のところです。
従って、選挙に勝つための秘訣と問われれば、“やれることは全部やる”としか言いようがありません。
それは、出る結果に後悔の念を残さないためでもあります。
やりきったという充実感がなければ、もし落選という結果が突き付けられた時に大きな悔いが残ります。
最後の挑戦として臨んだ場合でも、その後の人生に影響することさえあるかもしれません。